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22卒就活生の本音
就活をする中で、建前を要求される場面は多いです。
弊サイトでは、建前では分からない就活生の本音を募集し、記事にしています。
Googleで検索しても出てこない生の文章には、共感できる点も多いのではないでしょうか。
今回は第二弾として、早稲田大学の学生さんに意見をいただきました。
就活で求められる「個性」について
個性は不要?
皆が同じようなリクルートスーツを着用し、皆が同じような志望動機を述べ、その中で人事の目に偶然止まった者が採用される。
このような日本における就職活動は奇妙なものだと私は思う。
就職活動は、以前ほどはその影響は小さくなったかもしれないが、人生の行方を左右する重大な場面である。
そのような重要な局面で、新卒の学生たちは服装や髪型などの個性を極力なくし、“社会的に良い”とされる恰好で就職活動を行う。
社会に出ると個性が必要?
社会人や学生の中には「そのような風習はやめるべきだ」とか、「自由に就職活動を行うべきだ」と考えたり話したりする人が多くいるだろうが、私を含め、彼等も結局そのような状況を変えることはできない。
現状の就職活動において、スーツに黒髪とはかけ離れた服装や見た目で就職活動を行えば、企業に良い印象を与えることが出来ず、むしろ社会不適合者であるかのような印象を与え、採用にはつながらないだろう。
社会に出れば、個性が求められるのに、就職活動においては、一見したときの個性はマイナスな印象を与えかねないのである。
確かに、社会においても、あまりにも突出した個性は賛否両論が集まるが、社会人に話を聞くと、社内にはいろいろな人がいる、という話を毎度のように聞く。
このような状況で、一見すると、就活生には没個性、社会人には個性が求められているように感じる。
一方で、そのような単純な話で終わらないとも考えられる。
就活生は、スーツという服装や黒髪で整えられた髪型など、制約が与えられているといっても良い環境にはおかれているが、個性を発揮する場は他にもあるからだ。
エントリーシートを書く難しさ
300字以内で書きなさい
例えば、企業が就活生に課すエントリーシート(ES)がある。
これを記入させることで、就活生の個性を測ろうとしていると考えることもできる。
しかし、たった300字前後の文章で、個性を表すことが出来るだろうか。
私自身もESや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)を書く機会があるが、自分の経験、考え方、行動、良さなどを300字に収めるのは至難の業である。
何かを書けば何かを削らなければならない。
試行錯誤を繰り返し、書き上げた文章を企業に提出し、選考が行われる。
ESの評価は人事次第?
文章力が問われるだけでなく、人事担当者によっても刺さる文章というのは異なるだろう。
実際に私が友人複数人と添削をしあった際にも、一つの文章に対して、肯定派と改善の余地があると考える派に分かれた。
また、一つ面白いと思ったことは、業界によって文章の体裁などまで異なっていた点である。
金融系向けの文章は、比較的堅く、一般的な文章であった。
一方で広告系や新聞社などに向けた文章では、堅い文章だけでなく、コラムのような、小説のような書き方の文章が多く見られた。
ESを書く上で重要なこと
このように、業界や人事担当者など多くの要素がESの選考突破に絡んでくるなかで、画一的な指導やインターネットで浅い知識だけを拾って書いた文章では、心もとない。
かといって、どのような場面にでも対応可能な文章というのも存在しないだろう。
人にはそれぞれ好き嫌いがあり、万人に好まれるものはどの分野においても存在しないと言えるからである。
個性を消せば埋もれてしまう、個性を前面に出せば賭けに出ることになる。
このような状況の中で、正解となる文章の書き方は存在しないと思う。
300字の文章の中ですべてを知ってもらおうとすることは不可能であるから、要点を絞って書く必要がある。
また、次のステップである面接に進むために、面接でもっと深く知りたいと思わせることも必要である。
担当者が変わろうとも、興味を引くポイントがあれば、ある程度の興味を引くことはでき、汎用的に使える内容になるのではないか。
このようなことから、ESなどの文章において、提出して終わりではなく、その後に繋がるように書くことが必要だと考える。
グループディスカッションによる選考は適切か?
GDで求められる力
選考においてもう一つ、初期段階の鬼門となるのがグループディスカッション(GD)である。
ここにおいて重要なのは、意見を持つだけでなく、限られた時間で皆が主張をしたい中でも、しっかりと自分の意見を話すこと、簡潔にまとめることである。
このような能力は、得意不得意が大きく分かれるように思える。
個性を大事にするという観点からみれば、皆が積極的に意見を言い合う中で自分の主張をすることが難しい人にとって、評価をもらうことが非常に難しいのである。
コロナウイルスの影響でオンラインでのGDが主流になった昨今ではなおさらである。
意見をしっかり持ちながらも、周りの意見を聞くことを重視し、あまり自分の主張を行うことが出来なければ、評価は低くなるだろう。
また、時間の短い場合には、意見を発展させることが得意な人にとっては不利である。
このように、いざ入社をすればその後に活躍する能力を持っていたとしても、選考の内容によって評価されない、ということが起こりうるわけである。
適正な評価をしてほしい
個性を主張すること、個性を的確に認知してもらうことの難しさを、この文章を書きながら改めて実感した。
最近では、雑談形式での面接も増えているようだが、個性を発揮、理解しやすくするための取り組みの一環であろうか。
私は話すこと、文章を書くことについて共に自信があるわけではなく、特にGDでは既述したような悩みを抱えることが多い。
嘘をつくことも得意ではなく、ある程度正直に話してしまったが故に落ちることもあるかもしれない。
その一方で、表現は悪いかもしれないが、嘘やその場の出まかせがうまい人ほど面接の通過率が高いことも十分考えられる。
正直者が馬鹿を見るという言葉があるが、その通りである。
確かにビジネスの現場や社会において、機転が利くことは必要な力であるが、その力に左右されすぎているのではないかと思うことが時々ある。
それゆえ、様々なタイプの面接を通して深く個人を知ること、適正な評価を受けることが出来る環境が整ってほしいと思うばかりである。
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